中国から見た日本(日本人)に提言
2010年10月20日
この度、「第13回 株式会社リッチ ご支援者様懇談会」にお招きいただき、たいへん光栄に思い、心より御礼を申し上げます。
本日の演題は「中国から見た日本(日本人)に提言」ですが、最近の中国経済情勢や中日関係も含めて紹介したいと思います。
8月中旬の新聞を開いてみると、中国のGDP総額が今年第2四半期で日本を逆転し、世界2位になった、とのニュースが目立っていました。
1949年中華人民共和国建国以来、国づくりや国民生活に素晴らしい変化がありました。とりわけ、改革開放30数年来、中国は自国の国情に適(かな)った発展の道を歩むことに成功し、中国経済は年平均10%程度の成長を続けてきました。この5年間、相次いでイタリア、フランス、イギリス、ドイツ、今回ついに日本を追い抜いて、世界2位の経済大国となりました。さらに、このペースで行けば、中国のGDPが10年以内にアメリカをも抜いてしまう、という観点も出ているようです。
中国のGDP急増に世界中が目を見張っている中、中国では逆に歓声がなかなか聞こえません。何故かと言うと、ご存知のように、中国は人口が日本の約10倍、国土面積が日本の約26倍であり、経済規模は大きくて、全体の量が多くなるのも当たり前であります。19世紀初期の中国GDPは世界の三分の一も占めていました。しかし、「量」より「質」のほうがもっと重要であります。経済発展の「質」から言えば、中国はまだ遥かに日本に及びません。いくつかの統計数字で比べてみると、中日両国の差が十分わかると思います。
例えば、中国のGDPが2009年で5万億ドルに達したにもかかわらず、1人当たりのGDPはまだ3000ドル台に止(とど)まり、日本の十分の一にも及ばず、世界ランキングではなんと104位であります。また、中国の産業構造は農業と労働密集型製造業に偏(かたよ)り、サービス業などの第三次産業はまだ遅れている現状に対し、日本のサービス業とハイテク製造業はすでに国民経済を支える2本の柱になっています。中国では、各地域の発展が整(ととの)っておらず、都市部と農村部の格差は大きいことに対し、日本の各地域の間、都市と農村の間は既にバランスよく発展を遂げています。一昨年からの世界金融危機の衝撃で、日本では300万人の失業者が出て、政府を悩(なや)ませましたが、中国は毎年2400万人の雇用を創出しなければならない。中国の科学技術・教育・医療・環境保護など諸分野への投入と発展レベルも大きく日本に遅れています。また、所得が1日1ドル以下という国連の貧困基準によっては、中国は1億5千万の貧困人口を抱えており、その規模は日本の総人口をも上回っています。色々な面から見ると、中国は依然として発展途上国であり、さらに中国は様々な深刻な問題や課題を抱(かか)え、「調和的な社会」を構築するには、まだ長い時期の努力をしなければなりません。
中日両国は昔から「一衣帯水」と言われてきたわけであります。中日両国は、鶏や犬の鳴き声が聞こえるほどの隣国であり、2000余年の長きに及ぶ友好往来は、それぞれの国の発展と進歩を促進し、切っても切れない文化の絆(きずな)を結び、世界の民族往来の歴史において最も素晴らしい1ページを書き記しました。
しかし、戦後、周知の原因によって、両国は一時的に不正常な状態におかれていました。その非常に困難な時代に、民間の力とルートにより、中日往来の道が再び打開され、両国の国交正常化が実現できるようになりました。それ以降も、中日両国が時代の流れに順応し、平等互恵の精神に則(のっと)って、友好協力関係の全面的発展に弛まず努力を続け、今日の戦略的互恵関係を迎えてきたわけであります。
数字で見ると、2009年の中日貿易額は2288億ドル、日本の対中投資は600億ドル余りに達しました。中国の対日投資という新しい現象も見られ、大口の投資も少なくありません。両国の人的往来は昨年延べ480万人を超え、姉妹都市は240組も結ばれました。
中日友好は歴史の伝統であり、さらに時代の潮流でもあり、平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展は、両国が共に追求する崇高な目標となるべきです。歴史と現実が示すように、中日両国は「和すれば双方利し、戦(たたか)えば双方傷つく」。中日戦略的互恵関係は、まさに両国が歴史の中から得た重要な知恵と教えにより、長期に着目し共同の発展を求める両国の唯一の正しい選択肢であり、両国と両国国民の根本的利益にかない、アジアと世界の平和、安定と発展にも大いに役立ちます。
以上の認識に基づき、中日関係の発展について次の3点を提言したいと思います。
第一に、政治的相互信頼と戦略的相互信頼を一層増進すべきであります。両国のハイレベルの交流を続け、ハイレベルの直接対話と意思疎通を緊密にし、二国間関係および共に関心を寄せている問題をめぐって率直かつ誠実に意見を交換し、十分な意思疎通を図り、両国関係の良好な発展趨勢を維持し、強めなければならなりません。
第二に、経済・貿易などの分野で、中日両国が手を携えて協力すべきであります。日中両国は経済・貿易分野での補完性が強く、両国が協力を強化すれば、1+1が2より大きい効果が生まれます。世界経済が徐々に回復してきていますが、米国経済の減速は一段と鮮明になり、欧州に立ち込めている公的債務危機という暗雲もまだ消えていません。世界経済回復の前途が依然として不確定要素に満ちている中、アジア経済と世界経済の全面的な回復を実現するためには、中日両国が力を合わせて、自国経済の安定成長を維持することは特別な重要性を見せています。
2010年に入って、中国は経済成長パターンの転換を加速し、経済構造の調整に取り組んでおり、中日経済貿易協力は新たなチャンスを迎えています。両国企業が有利なチャンスを捉(とら)え、優位性による相互補完を貫(ぬ)き、省エネ、環境保護、循環型経済など、重点分野の拡大に力を注ぎ、互恵とウィンウィンを実現すべきだと思います。
ここで一言強調したいですが、中日国交回復数十年来、日本は友好的な隣国として、中国の近代化建設に対し貴重なご支持、ご支援を行いました。一方、中国の持続的発展・繁栄と長期的安定は隣国日本にとっても得がたいチャンスになると考えています。
第三に、両国民の相互信頼と友好的感情を一層増進すべきであります。中日友好は結局、両国国民の友好であり、中日友好の基礎と主体は両国国民であります。それがゆえに、中日友好の発展には両国国民の力が欠かせません。双方は上海万博や日本政府による中国公民の観光ビザ制限措置緩和などの有利な条件を生かして、民間レベルの往来を拡大すべきであります。民間交流の強化を通じて共に努力すれば、両国間の文化的、感情的つながりを強め、さらに信頼関係を徐々に築き、中日友好の民意的基礎をしっかりと固めることは必ずできると信じています。
勿論、中日両国間には、幾つかの現実的問題が存在しているのも事実であります。しかし、中日は引越しできない隣国であり、経済や文化を含め、両国は切っても切れない緊密な関係にありますので、お互いの必要性と共通利益が食い違いや争いを遥かに上回っていると認識しなければなりません。両国は戦略的互恵関係の大局に目を向け、具体的な現実的問題を適切に処理すべきであります。
私は着任から2年ちょっとですが、各界との幅広い接触と交流を通じて、各界が中日戦略的互恵関係の全面的推進と協力の全方位的深化に強い願いとご熱意を持っていることを強く実感し、感謝しています。今後とも、中日戦略的互恵関係をいっそう発展させるために、引き続きご指導・ご協力を賜りますよう、心より期待して、私の講演とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。
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